企画展「越山―上杉謙信侵攻と関東の城―」
【開催趣旨】
戦国時代後期の武将で越後の虎と謳われた上杉謙信は、関東管領として厳冬の越後山脈を越えて毎年のように関東に侵攻し、この戦いを自ら「越山(えつざん)」と呼びました。
本展では、武田信玄との戦いや領内の一向一揆の問題を抱えながらも、リスクを冒してまで関東の諸城を攻めた越山にかかわる戦(いくさ)の実態を、文献史料・考古資料から明らかにします。特に出土した武器・武具により、攻城戦の始まりから降伏・落城までを概観し、謙信の中世的な地域支配の性格を浮き彫りにします。
【開催期間】 平成30年12月1日(土)~平成31年2月17日(日)
【休 館 日】 平成30年12月10・17・29・30・31日、平成31年1月1・2・3・7・21・28日、2月4日
【観 覧 料】 一般100円、高校生・学生50円(20名以上の団体の場合:一般60円、高校生・学生30円)
中学生以下および障害者手帳をお持ちの方(付き添い1名まで)は無料
【展示構成】
1.謙信と越山
上杉謙信の関東侵攻の記録を整理し、全体像を明らかにします。
(1)上杉謙信にとっての越山の意味
(2)越山の推移
2.戦国時代の戦(いくさ)の舞台—城とは何か—
戦国武将が城の争奪にちからを注いだ理由について、城の歴史的な成り立ちから解説します。
(1)城とは何か—戦国期の城に先立つ要害—
(2)戦国の城のイメージ実態
(3)関東の城
(4)人・物・情報が集まる場所「城」
3.上杉謙信の越山と城攻め
具体的な記録が少ない上杉謙信が関わった攻城戦について、敵対した北条氏の状況を含め、発掘調査で出土した様々 な武器・武具から検証します。
(1)銃砲戦と弓射で始まる攻城戦
(2)打物戦と出土遺物
(3)降伏と落城――焼けた城郭
銃撃・弓射の実態を探る
銃砲の姿を探る
(4)略奪と出土遺物
4.関東の戦国時代と越山
中世から近世への移り変わりの中で、越山を考えます。
5.城郭探訪
展示で取り上げた城を紹介します。
【主な展示資料】
栄俊筆松橋流血脈裏書(まつはしりゅうけちみゃくうらがき:東松山市指定文化財「正法寺中世文書」)/正法寺蔵
短刀銘備州長船住景光(写)/埼玉県立歴史と民俗の博物館蔵
唐沢山城跡出土陶磁器・茶臼/佐野市教育委員会蔵
深谷城跡出土塗り椀・櫛/深谷市教育委員会蔵
石戸城跡出土懸仏・古瀬戸瓶子・大型木製燭台の針/北本市教育委員会蔵
松山城跡出土銃弾/吉見町教育委員会蔵
金山城跡出土砲弾・鉄鏃/太田市教育委員会蔵
騎西城跡出土馬鎧部品・薙鎌・槍先・銃弾・刀装具/加須市教育委員会蔵
【関連印刷物】
企画展図録(カラー本文48ページ) 400円
展示では説明しきれない越山の詳しい経緯、城の成り立ち、戦国後期の攻城戦の実態、戦国大名の動きなどを豊富なカラー図版を用いて解説しています。
【関連事業】
企画展関連講演会「上杉謙信の雪中越山」
日時:平成30年12月6日(木) 13:45~15:30
開場:国立女性教育会館 講堂
講師:簗瀬 大輔 氏(群馬県立女子大学准教授)
費用:1名につき100円
特別講演会「戦国武将と城郭」
日時:平成31年1月27日(日)
開場:国立女性教育会館 講堂
講師:小和田 哲男 氏(静岡大学名誉教授/公益財団法人日本城郭協会理事長)
費用:1名につき500円
学芸員による展示解説
日 程:平成30年12月9日(日)・16日(日)
平成31年1月13日(日)・26日(土)、2月3日(日)・17日(日)
時 間:13:30~14:30
申込方法:事前予約不要。実施当日開始時刻に展示室受付前にお集まりください。観覧料がかかります。