菅谷館跡のヤマユリについて
菅谷館跡では、例年7月上旬から7月下旬にかけて館跡全域(13万㎡)で総計で500株以上(一斉に開花するのではありませんのでご注意ください)のヤマユリが咲きます。

◆自生しているヤマユリですので、徐々に開花し、例年7月20日頃が最盛期となります。
◆ヤマユリが咲く場所は、本郭の土塁及び堀、南郭、三ノ郭の西側などです。
当館跡内のヤマユリは、無料でご覧いただけます。
当館跡は、貴重な国指定史跡です。館跡の土塁に上ったり、堀に下りたるすることは固く禁止されておりますので、ヤマユリも必ず園路内からご観賞ください。
ヤマユリをはじめ、当館跡内の植物および動物(昆虫を含む)は全て採取することが固く禁止されておりますのでご注意ください。
駐車場は17:00に閉鎖しますので、ご注意ください。
2020年 ヤマユリ日記

 

2020年 ヤマユリ日記

7月28日(火)

今年のヤマユリの開花のピークは終わりました。

花の命は短いといいますが、今年の菅谷館跡のヤマユリは館跡各所で一斉に開花したため、例年よりも見ごろの期間が短くなりました。

先週7月21日(水)には425株・701輪が咲き誇っていましたが、今週7月27日(月)の開花は105株・172輪に減っています。

また、現在咲いている花も散り際のものが多く見られます。館跡のヤマユリが楽しめるのは今週末までと思われます。

(1)本郭

本郭内の土塁のヤマユリは、先週には49株・78輪も咲いていましたが、今週は12株21輪にまで減り、咲いている花も終わりを迎えています。

 (2)南郭

南郭の開花も、先週の49株・103輪から、今週は11株・27輪と大きく減りました。こちらの花も終わりかけています。

 (3)本郭 西側と北側の堀

 こちらのユリも先週の171株・229輪から、今週は29株・41輪と大きく減りました。北側の堀だけはまだ少し遠目に「古城に咲くヤマユリ」をお楽しみいただけますが、それも今週中までではないでしょうか。

 (4)三ノ廓

先週は、133株・165輪も咲いていた三ノ廓のヤマユリは、今週はわずか21株・23輪となりました。来週には群生は見られないかもしれません。

(5)国道254号沿い

例年、最も開花の遅い国道沿いのヤマユリも、今年は珍しく館跡の他の場所のユリと同時期の7月半ばに一斉に開花しました。

例年より開花のピークが早くなったため、先週24株・78輪が咲いていたユリは、今週は26株・48輪と減少し始めています。例年ですとこちらの場所のユリだけは8月第1週目までご覧になれますが、今年は今週末でほぼ花が終わりそうです。

 

 

7月22日(水)

今年のヤマユリのピークは今週末くらいまで!?

例年ですと、菅谷館跡のヤマユリは、まず本郭から咲き始め、次に南郭、次に三ノ廓、最後に国道254号沿いといった順番で、開花の時期が少しづつずれるため7月の末頃までご覧いただくことができます。

ところが、今年は少し違っています。いつもなら本郭と南郭が開花時期の7月15日ころに三ノ廓と国道沿いのユリも一斉に咲き始めました。

このため、今年のヤマユリは7月末よりも少し早く終わってしまうかもしれません。

今、まさに開花のピークで、7月21日現在425株・701輪ものユリが一斉に咲いています。

明日から4連休となる今週末までが今年の最高の見ごろと思われます。

 

(1)本郭

 

 本郭北側の入口の土塁のヤマユリが一斉に開き、まるで訪れる人を出迎えてくれているかのようです。

(2)本郭堀(北側・西側)

今年は、本郭の堀に多くのヤマユリが花開きました。(7月21日現在171株・279輪)特に出枡形土塁付近など堀の北側の開花がみごとです。遠目の観賞になりますが、菅谷館跡らしい「古城に咲くヤマユリ」の風情を満喫いただけると思います。

 

(3)南郭

小径沿いの花はほぼ咲き終わり、本郭側の土塁の中に遠目に開花が見られます。

(4)三ノ廓

 三ノ廓のヤマユリは比較的近くで見ることができます。例年より開花が早かったため、花の終わりも早まりそうです。今週末までが見ごろでしょうか。

(5)国道254号線沿い

こちらのヤマユリは今年異例に早く開花しました。例年ですと館跡内で最も開花が遅く、今頃から咲き始めて7月末が最盛期なのですが、今年は既にピークを迎えています。

 

 

7月17日(金)

国道254号沿いのユリも咲きました。

菅谷館跡のヤマユリで例年最も遅咲きなのは、館跡の東北部の国道254号に面した箇所の群生です。

しかし、今年は例年より少し開花が早く、7月16日(木)の時点で12株30輪が咲いています。こちらのユリは遠目にしかご覧いただけませんが、国道254号の歩道から柵ごしにご覧いただくことができます。

今年は開花が早かったこともあり、今後の天候によっては花の終わりが早まる可能性もありますが、例年ですと、この国道沿いのヤマユリが当館跡内で最も遅くまで咲き、7月末までお楽しみいただけます。

 

7月16日(木)

本格的な開花が始まりました。

7月10日(金)には、館跡全体で22株のヤマユリで24輪の開花を確認しましたが、7月15日(水)には、189株292輪が開花しました。

292輪が咲いたといっても、ヤマユリは当館跡の様々なところに分散して咲いており、遠くからしか眺めることのできない花も多数あります。

また、館跡各所の開花のピークは時間差があり、今が見ごろなところ、これから見ごろになるところがあります。

開花場所ごとの状況をお知らせします。

(1)本郭内東側土塁

7月15日現在、10株26輪がところどころに集まって開花しています。近い距離からヤマユリをご鑑賞いただくことができます。

(2)本郭南側堀

 

 

本郭の南側には南郭に続く小径があります。この小径の左右は本郭の南側の空堀になっており、ここにもヤマユリが咲いています。堀と土塁にははいれませんので、遠目に眺めることになりますが小径の近くに咲くユリも少しあります。

 (3)南郭

南郭の土塁や小径にもヤマユリが開花しています。こちらのヤマユリも多くは遠目にご観賞いただくようになります。

 

(4)本郭堀 西側と北側

 本郭の西側と北側の堀では合計77株115輪の開花がありました。こちらの花は遠目にしか見ることができませんが、「古城の堀に咲くヤマユリ」といった当館跡らしい風情を楽しんでいただけると思います。

(5)三ノ廓

 

 

駐車場から最も近い三ノ廓では郭全体で66株82輪の開花がありました。三ノ廓に咲くユリは、小径から比較的近い距離でご覧いただけます。

(6)その他

ところで時々、お客様から「ヤマユリの花が下を向いてしまっている」というお話をいただくことがあります。実はこの「下を向いている」ことがヤマユリの特徴です。

ヤマユリの花粉を媒介してくれる昆虫は昼はアゲハチョウ、夜はスズメガが主です。アゲハチョウやスズメガは下向きの花にとまりやすい性質があり、花が下を向いているのは種を繁栄させるためのヤマユリの自然の戦略なのです。

本郭のヤマユリとアゲハチョウ(昨年7月25日撮影)

 

7月7日(火)今年初めての開花

(1)本郭内の東北側の土塁で、今年初めてヤマユリの開花が確認されました。一度に三輪咲いています。これからこのユリの周辺のツボミも次第に開花していくことでしょう。

ヤマユリの初開花

(1)本郭東北側の土塁に開花したヤマユリ

 

(2)また、観賞するには少し距離がありますが、本郭土塁の南側でも二輪の開花がありました。この付近では、これから次第に園路に近い箇所のユリが開花していきます。

(2)本郭土塁南斜面に開花した二輪のヤマユリ。

 

(3)さらに、これも観賞するのにはやや距離がありますが、本郭西側の堀でも一輪が開花しました。この堀でも、これから順次開花をご覧いただけます。

(3)本郭西側の堀に咲いたヤマユリ。距離がありますがご確認いただけますでしょうか。

 

(4)本郭周辺のヤマユリは開花しましたが、三ノ廓のユリはまだツボミです。

(4)園路から近く観賞しやすい三ノ廓のヤマユリはまだツボミ。開花まで1週間ほどでしょうか。

 

(5)ご覧いただきましたように、菅谷館跡のヤマユリは館跡内の花が一斉に咲くのではありません。本郭で初開花の確認された本日から7月下旬まで、見ごろの観賞ポイントが移りながらご覧いただけます。ヤマユリがお好きな方は是非お立ちよりください。

※国指定史跡菅谷館跡内の植物および動物は全て採取することが禁止されておりますのでご注意ください。

ヤマユリについて
 
ヤマユリ    

 日本固有のユリで、北海道と北陸地方を除く近畿地方以北の山地の林縁や草地に分布します。丈は1~1.5m。1株に10輪程度の花を咲かせるものもあります。花の大きさは直径20cm以上で、ユリ科の中でも最大級であり、その香りは、甘く濃厚です。種から発芽して・開花するまでには少なくとも5年以上かかり、また株が古いほど多くの花をつけます。近年は、生育に適した明るい山林が減少していることから数が減ってきており、館跡内は貴重な自生地となっています。
 なお、ヤマユリは現在のところ人工栽培に成功しておらず、自生地から別の場所に移植しても翌年以降花が咲くことはありません。
ヤマユリを自生地で品種改良し園芸種としたものが、カサブランカと呼ばれるユリです。なお、ヤマユリは、菜の花や芝桜、ヒマワリのように密集して生育する植物ではありません。

過去の一番花の開花日

2019年7月5日/2018年 7月2日/  2017年  7月3日/ 2016年 7月4日/ 2015年 7月3日/ 2014年 7月9日/ 2013年 7月9日/ 2012年 7月12日/ 2011年 7月11日/2010年 7月11日/ 2009年 7月7日/ 2008年 7月9日/ 2007年 7月11日/2006年 7月7日/ 2005年 7月12日/ 2004年 7月6日/ 2003年 7月10日/ 2002年 7月6日

(昨年のヤマユリ情報はコチラご覧ください)
2019年ヤマユリ日記

令和元年8月7日(水)
今年のヤマユリの開花は終わりました。

 最も遅く開花が始まった国道沿いのヤマユリも、ほとんど咲き終え、もう館跡内で旬のヤマユリの花を見つけることは難しくなりました。咲き終わったユリは実が少しずつふくらんできています。
今年のヤマユリ日記は、今回で終了いたしますが、菅谷館跡の夏はまだ続きます。クヌギの樹には時おり国蝶オオムラサキも姿をみせています。猛暑の折、熱中症等に注意しながら今後も嵐山の夏をお楽しみください。

花の盛りを終えたヤマユリ


花が終えたヤマユリでは、実が少ずつ育っています。

クヌギの幹に憩うオオムラサキ

令和元年8月2日(金)
今年のヤマユリもいよいよフィナーレです。

 昨年に比べ開花が遅れた今年のヤマユリ。先週まで咲き誇っていましたが、梅雨明け後の猛暑とともにフィナーレを迎えています。
三ノ郭の開花もごくわずかとなりました。最後に咲きはじめました国道沿いの花も今週末4日頃までが今年の鑑賞できる最後の機会になるかと思います。どうぞお早めにお越しください

三ノ郭のヤマユリ。まだ少し見られますが、いよいよ今年のフィナーレです。


令和元年7月28日(日)
天候が心配されましたが、ヤマユリは元気に咲いています。

 昨日は台風の直撃も懸念されましたが、温帯低圧となってコースもかわり、雨上がりの館跡でヤマユリは元気に咲いています。
 今年最も開花が遅かった国道254号沿いに見える三ノ郭の土塁のヤマユリ群生は、今最盛期を迎えています。
 また、三ノ郭の小道の北側の群生も今がピークです。そして最も近くで開花を楽しめる本郭の入り口の小道脇のヤマユリも今日はまだ見ごろです。また、本郭の堀に咲くヤマユリたちを遠目に眺めるのも菅谷館跡らしい風情です。
 一方、数日前まで多くの花が咲き誇っていた南郭や、今年最初の開花が見られた三ノ郭蔀土塁付近のユリは既に終わっています。
 今年のヤマユリを楽しめるのもあと少し、是非お早めにお越しください。

国道254号沿いから見える三ノ郭土塁のヤマユリ

国道254号沿いの群生の中には、一株から十輪近く開花して
いる例もあります。


駐車場入り口手前の三ノ郭の土塁にもヤマユリが

駐車場手前の土塁のヤマユリ。水面にも映っています。


駐車場から近い三ノ郭の小道の群生もまだ見ごろです。

本郭入り口の小道では今日もヤマユリが迎えてくれました。



令和元年7月25日(木)
ようやく見ごろを迎えました。今週から来週にかけてがピークとなりそうです。

 例年になく開花の遅れた今年のヤマユリ。先週7月18日には、まだ98株126輪の開花でしたが、ようやく本番を迎え、本日は335株588輪が開花しています。
 一番、ご覧頂きやすい三ノ郭の小道をはじめ、国道254号沿いの歩道から見える三ノ郭の土塁、本郭の堀などに多くの開花が見られます。
 また、本郭の入り口や本郭の東側、そして南郭の小道では、ヤマユリをかなり近くでご覧頂くことができます。
 週末は台風の接近が心配ですが、天候に恵まれましたら是非おこしください。


三ノ郭に群生するヤマユリ


本郭の堀に群生するヤマユリからは甘い香りが漂う。



アゲハチョウとヤマユリ(本郭入り口)




令和元年7月10日(火)
新たに2株4輪が咲き、合計6株9輪の開花となりました。

昨日、1輪が開花した本郭の東側の土塁に、同じ株から2輪、そして新たな株から1輪が咲きました。
また、昨日1輪開花した二ノ郭から本郭西側を眺む堀でも、新たな株から開花がありました。
今日で合計6株9輪の開花です。例年より涼しい梅雨のためか、今年の開花は遅れていますが、ようやくペースアップしてきた感があります。
また、菅谷館跡に隣接する嵐山町の「オオムラサキの森」では、オオムラサキが羽化の時期を迎えています。
菅谷館跡でヤマユリ、オオムラサキの森で国蝶オオムラサキと、両方探してみてはいかがですか。

本郭の東側の土塁のヤマユリ

二ノ郭から本郭西側を眺む堀のヤマユリ。もう1輪まもなく開花か

館跡に隣接する嵐山町「オオムラサキの森」で羽化したばかりのオオムラサキのメス






令和元年7月9日(火)
開花しているヤマユリは4株5輪になりました。

今年3輪目のヤマユリが、昨日本郭東側の土塁に咲いたということを聞き、見にいきますと、濃密な甘い香りを漂わせて大輪の花が開いていました。近くにいくつか白い蕾もあり、まもなく咲いてくれそうです。
また、二ノ郭から本郭西側を眺む堀にも4輪目のヤマユリを見つけました。このユリの周辺にも間もなく開花しそうな白い蕾がいくつか見られました。
そして、今年最初の開花が見られた三ノ郭でも、嬉しいことに昨日まで蕾だった蔀土塁手前のユリが大輪の花を咲かせていました。
今月中旬から下旬にかけて見ごろを迎えると思います。ご期待ください。



本郭東側の土塁に咲いた今年3輪目のヤマユリ


二ノ郭から本郭西側を眺む堀に咲くヤマユリ。遠目にも目立ちます。

二ノ郭から本郭西側を眺む堀には間もなく開花しそうな蕾もいくつか見られます。


三ノ郭蔀土塁の手前のユリも開花しました。




令和元年7月6日(土)
今年はじめてのヤマユリが開花しました。

7月5日(金)三ノ郭の蔀土塁の近くで今年はじめてのヤマユリが咲きました。今朝写真を撮りに行きますと、もう一輪花開いていました。

さら蔀土塁の手前にも、間もなく花開くであろう蕾が・・・。

ここ5年間では一番遅い開花ですが、いよいよ嵐山にヤマユリの季節がやってきました。

しかし、まだ館跡のヤマユリのほとんどは、まだ蕾が緑色。これから咲きほこるのが楽しみです。

ところで、ヤマユリは開花を迎えると頭を垂れるかのように大きく傾きます。実はこの傾きこそヤマユリが天然自然のものであることの証なのだそうです。
ヤマユリの花粉を運んでくれるのは、アゲハチョウやスズメガなどの大型の蝶や蛾。これらの昆虫は下向きに咲く大輪の花にとまるのを好みます。ヤマユリの傾きは、アゲハやスズメガに花粉を媒介してもらい、種を繁栄させるための自然の戦略から生まれた必然的な姿だそうです。
このことを知ったのは昨年の「自然観察会」で県立自然の博物館の植物担当の学芸員の解説を聞く機会があったからです。
今年の「自然観察会」は、ヤマユリが見ごろを迎える来週7月13日(土)に開催します。10:00~10:30と10:40~11:10の2回行いますので、ヤマユリをはじめ菅谷館跡の自然にご関心のある方は是非ご参加ください。(参加無料・当日受付・少雨決行)


令和元年7月3日(水)
今年の開花は遅れそうです。7月第2週の開花でしょうか?
ここ数年、ヤマユリの開花時期が早まり、7月の第1週に開花がはじまっていました。
しかし、今年は4月の雪や、珍しく梅雨らしい梅雨の季節のためか、豊かについたヤマユリの蕾(つぼみ)の成育もペースダウン。まだ開花直前をつげるような白い色になっておりません。
開花は来週になると予想しています。
ヤマユリをご覧のためにご来館をご予定されている方は7月第2週以降にお越しいただけるとよいかと思います。

7月2日のヤマユリ。まだ、蕾があまり白くなっていません。
開花までもうしばらくお待ちください。