2021年版 古城の四季と花だより

7月14日(水)

 館跡内ではヤマユリが見頃を迎えており、見回りの際にカメラを持った来跡者と行き会うことも増えました。前回はたまに聞こえる程度だったセミの声も現在は絶えず鳴いており、館跡はすっかり夏といった風情です。
 しかし現在の関東はまだまだ梅雨の真っ最中。館跡の見回りと写真撮影のために外へ出たとたん、雨に見舞われて逃げ帰ることもしばしば。かといって雨上がりを狙って見回りに行くと、雨後の湿気と高い気温のダブルパンチで館跡を一周するころにはバテバテに。
 そこで今回は、雨も暑さも関係ない、博物館の中から鑑賞できる花を紹介します。

 

  ヤブミョウガの花とアブ

 先月に夏椿を紹介した展示室前のスロープでは、ヤブミョウガの花がひっそりと咲いています。ガラス窓のすぐ近くで咲いているので、細く伸びた茎に玉のような白い花が鈴なりになっている様子や、小さなアブや蜂が蜜を吸いに来る様子が間近でご覧いただけます。
 このヤブミョウガ、「ミョウガ」と名がついていますが、実はミョウガではなくツユクサの仲間で、葉がミョウガに似ていたためについた名前だそうです。
 花の可憐なヤブミョウガですが、秋になると濃い青紫色の丸い実をつけ、その様子もまた美しい植物です。展示室の前を通る際に、鑑賞してみてはいかがでしょう。

2021年版 古城の四季と花だより

2021年7月8日(木)

 天気の良くない日が続いていますが、週のはじめ頃からセミの鳴き声が聞こえはじめるなど、館跡では夏の気配が日に日に濃くなりつつあります。夏の館跡内で咲く花は香りの強いものが多いようで、見回り中に甘い香りを感じることも増えました。周囲に誰もいないときなど、少しの間だけマスクを外し、香りを楽しんでみるのもいいかもしれません。

 夏の盛りを目前に、駐車場ではクチナシが、博物館の裏手ではネムノキが咲いています。クチナシはバラのようにも見える八重咲の白い花で、ネムノキは刷毛のような形が特徴的な淡い紅色の花です。どちらも香りがよく、館跡の入口付近の見に行きやすい場所にあります。

クチナシ  

 

 博物館の脇を通り過ぎた二ノ郭の土塁では、ヤマユリが続々と開花しつつあります。ヤマユリはあずまや付近の日陰がちな場所に多く分布していますが、実は日当たりのいい出桝形土塁にも、よく目を凝らすとピンク色の花が密生しているのがみえます。チダケサシという花で、モールのように密生した特徴ある花を咲かせます。園芸用によく育てられるアスチルベはこの花の仲間、あるいは改良品種だそうです。花は近くで見るときれいな薄ピンク色をしていますが、やはり野生種のせいかアスチルベに比べてフワフワ感に欠けており、咲いている場所も土塁の斜面なので近くで見るのはなかなか難しいのが残念なところです。

チダケサシの花

 

 最近、館跡内でスズメバチの目撃情報が相次いでいます。スズメバチの巣は木の根元などの土中や樹洞に多く、近づくと非常に危険です。園路以外への立ち入りは控えるよう、お願いいたします。

2021年7月3日(土)

 カレンダーが7月に突入し、本格的な夏が近づいてまいりました。雨がちな天気のせいで館跡内は蒸し暑く、土がむき出しになっている場所は滑りやすくなっています。5月頃から茎が伸びていたヤマユリですが、7月に入って最初の花が開花しました。開花情報などはヤマユリ日記2021をご覧ください。

 夏の館跡では、ヤマユリのほかにも様々な花が咲きます。先月紹介した夏椿の花は終わってしまいましたが、野外ではヤマユリに先駆けてヤブカンゾウやノカンゾウが見頃を迎えています。ノカンゾウは土塁の上など鑑賞しづらい場所に咲いていますが、ヤブカンゾウは国道に面した館跡東側に群生して咲いています。ぜひお近くでご鑑賞ください。

ヤブカンゾウの花  群生するヤブカンゾウ

 

2021年6月21日(月)

 早いもので、もう夏至になってしまいました。今日を境に昼の時間は短くなっていきますが、夏はこれからが本番。気温や日差しは日々厳しくなってまいります。館跡見学にお越しの際は、熱中症にくれぐれもお気を付けください。
 なお、自然の多い場所には虫もつきもの。館跡にはスズメバチやヘビ等の危険な生き物も生息しておりますので、そちらにもご注意を。

バックヤードから見える夏椿  展示室前の窓から見る夏椿

 一方で、この季節に日差しも暑さも関係なく楽しめる花もございます。展示室前のスロープから、窓越しに夏椿をご覧いただけます。
 シャラ、シャラノキなどとも呼ばれる花ですが、なんでも釈迦の入滅の際に白く枯れたという逸話で有名な沙羅樹とは別種の花で、間違えられて付けられた別名なんだとか。本物の沙羅樹には日本の気候は寒すぎて、温室でないと育たないそう。
 それはともかく、夏椿は今日もきれいに咲いています。展示室に入る前に少し立ち止まって、眺めてみるのはいかがでしょう。

2021年5月7日(金)

 桜もとうに散り、新緑の季節も過ぎて館跡の緑は日に日に濃さを増しています。初夏の気配が近づいてまいりました。
 天気のいい日は日向の園路を歩いていると汗ばむほどの陽気ですが、雑木林の小径はほどよく木漏れ日が差し込み、散策にちょうどよい頃合いとなっています。
 つつじは見頃をやや過ぎてしまいましたが、二ノ郭のあずまや付近など、まだまだきれいに咲いている場所がございます。

  

 

 南郭から本郭へ抜ける小径などの雑木林では、キンランやギンランが咲き始めています。また、ジュウニヒトエやシモツケも花を咲かせております。
 菅谷館跡の土塁からは、夏の開花を控えたヤマユリの茎が伸びてきています。今年のヤマユリは、例年よりもやや早く開花しそうな様子です。

キンラン  ギンラン

ジュウニヒトエ  シモツケ
 
 ※画像にカーソルを合わせると、花の名称が表示されます。